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第53回三県 (三重・愛知・岐阜) 合同鍼灸研修会

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約3分

患者と向き合う時間を作ってくれる治療法 「お灸」

53回目となる三県(愛知・岐阜・三重)合同鍼灸研修会は、一昨年の日鍼会全国大会in沖縄において師会長間で意見交換をした際に、「オールお灸」の内容はいかがかということで協議して開催に至ったものです。

第1部はMoxafrica Japanの山川義人先生(右写真上)から、Moxafricaの国際活動の現状と課題について解説をいただきました。

その活動の根拠になっているのは原志免太郎博士の結核に対する灸施術の基礎研究とのことであり、日本においても透熱灸の効果を科学的にも再評価する時期が来ていることを感じさせられました。

ランチョンセミナーでは中山道柏原宿の老舗もぐさ屋である亀屋佐京商店の松浦達修氏より、「伊吹もぐさ」の流行にまつわるエピソードやもぐさそのものの歴史についてわかりやすく解説していただきました。

第2部は明治国際医療大学の和辻直先生(右写真下)より、お灸の教育の現状と課題、また、日本鍼灸における特徴的な「文化」としてのもぐさやお灸と、それらをとりまく国際的な課題まで多岐にわたる内容で、今後の日本の「きゅう師」の価値と活動について考えさせられました。

第3部では(一社)滋賀県鍼灸師会副会長の井出健先生より、滋賀県草津市の穴村に伝わる伝統的な薬物灸である墨灸の歴史や、墨灸の作成方法をご解説いただき、岐阜県師会員のお子さんをモデル(下写真)にして実際の施術の手順を披露された。また、参加者全員が体験施術(下写真:合谷への墨灸)を受けるなど貴重な機会に恵まれ、まさに「お灸漬け」の一日となりました。

お灸は施術の手順の特性上、またリスク管理の意味でも、施術中は一人の患者さんから目が離せない場面が多くなり、多くの患者さんをうまく回転させるという観点からすると非効率的な側面があるのかも知れません。しかし、別の面では、一人一人の患者さんとしっかり向き合う時間を作ってくれる治療法とも言えるでしょう。

お灸や艾の可能性と価値を再確認し、自分の臨床スタイルへの活用方法について、多くの示唆をいただけた研修会で、また、研修後は恒例の懇親会が行われましたが、毎年楽しみな事業の一つとなっていると思います。

次年度は愛知県鍼灸師会(吉崎会長)の担当で開催される予定ですが、テーマ・日程等のご案内があり次第お知らせします。

(研修風景写真提供:岐阜県鍼灸師会/報告:学術委員長 奥田一道)

 

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